春の粕汁

掲載日:2012.02.27

美味しい酒粕が手に入ったので、粕汁を作りました。作り方はとても簡単。お味噌汁のミソを酒粕に替えるだけです。

溶けにくいようなら酒粕は早めに、ちぎって水につけておきます。溶けにくいからと水を足しているうちに、鍋に入りきらない量になったりするのでご注意。あまりも増えちゃったら、溶かした粕は半分残して、翌日に甘酒などはいかが。

味噌汁と同じように、まずダシで具を煮ます。煮えたところに、とろとろに溶かしておいた酒粕を入れます。酒粕は味噌と違って塩気がないので最後に塩や醤油、味噌などで、ごく薄めに味を整えます。軽く煮立てて、酒粕の香りが立ちのぼる粕汁が完成。

酒粕の分量は、味噌汁の味噌と同じくらいの見当ですが、濃いめの汁がふつふつと煮えたぎるのもよいし、さらっと薄めで味わうのも風情。お好みと酒粕の具合で楽しみましょう。

具も味噌汁同様、何でも合うようです。酒粕が具の味をうまくまとめてくれるのです。

大根や人参などの根菜類と油揚げは、手軽で絶対美味しい組み合わせ。お豆腐、厚揚げはもちろん。ネギ、白菜、チンゲンサイのしゃきしゃきも、三つ葉の香りも。ほうれん草のちょっとアクのある葉も。鮭やブリも。豚しゃぶも脂にふんわりと粕がからんで。酒粕鍋でもよいですな~

体が暖まるというので冬のお料理としてよく紹介されますが、私は春の気分の粕汁も好きです。ふわあっと甘酒の香りの湯気の中から、少し澄んだところときめ細かなもやもやが入り混じっているような、淡いクリーム色の汁。大根に人参の赤、かりっとした油揚げ。青みは水のにおいがするセリ?ふきのとうもよさそう。春の景色だなあ。

酒粕は新酒を絞った秋口から冬にかけて出回り始め、暖かくなってくると店頭から消えていきます。今頃に、粕汁をもう一度食べておくのもよいかも。ビタミン、アミノ酸や酵母などが豊富だそうで、春に向かって元気がでそうです。

!)酒粕によっては、かなりアルコールが残っています。お酒に弱い人は薄めに。よく煮てアルコールを飛ばして下さいね。粕汁2杯で酒気帯び運転になった例があるそうです。