割り箸
掲載日:2014.11.27
お昼休み混雑するコンビニでランチを買う時、レジの店員さんの仕事ぶりには、いつもほれぼれします。商品を会計しながら袋に詰め、弁当を温め、沢山のトークも忘れずかまず。
トークのひとつが「お箸は何膳おつけしますか?」。その忙しい時間帯には、まるで似合わない繊細さではありませんか。
わざわざ聞かずに、弁当とパックには1膳ずつ付けてしまえば早いのに、とつい考えてしまいます。確か少し昔は、そうしていたような。何でも捨てられない性格なので、私の机の引き出しには大量の割り箸のストックが発生しがちでした。結局、大掃除の時捨てるのですが。
割り箸を使うこともなく捨てるのは、かなり後ろめたいものがありました。地球環境の維持に貢献してくれている森林の木材から、割り箸は作られているのですから。使い捨ての「割り箸」自体が森林破壊、ひいては地球環境破壊、とさえ言う人もいるくらいです。
でも、そもそも我が国の割り箸は、建築用に利用できない端材や間伐材を有効活用していたものですから、森林破壊に直接的に結びつくものではありません。むしろ、森の生産物を大切にし、森を維持管理することに経済効果をもたらす発明だったのです。
しかし現在、我が国で消費されている割り箸のほとんどは、輸入品です。安価なためです。その原料が「割り箸を作るために伐採する木」であることは環境への脅威となります。森を健全に成長させるための間伐ではなく、一面に伐採される森はたいていは植林されることなく畑になり、森は持続されません。
国内では安価な輸入割り箸におされ、廃業した割り箸工場も多いそうです。北海道は割り箸の大きな生産地だったのですが。
じつは先日、九州の杉の割り箸を頂いたのです。製材の過程で出来る端材から作られているそう。
木目がくっきりと美しく、いい香りがします。森林破壊はしていなくても、無駄に使う必要もありません。特別なお客様の時に使おう、と楽しみにとってあります。ご馳走を前に割り箸を、ぱちんと割る瞬間の嬉しさ、晴れがましさ!