大人の男のドールハウス
掲載日:2016.02.01
小さな家を計画中の友人がいます。退職後、田舎の畑の近くに、夫婦2人で住む予定だそうです。
年をとってからの家づくりは自由で、若い頃と違う楽しさがあるようです。彼女らの目下のお気に入りは「模型の検討」。設計図をもとに、計画中の家の模型をご主人が作ってみたのです。
図面をコピーして、模型用の白いボードに貼って組み立てました。設計図に合わせて、1/50 の縮尺です。平家の小さな家だから、ティッシュの箱よりちっちゃいの、と両手に載せて見せてくれました。
屋根がはずれるようになっていて、家の中を見られるようになっています。家の中には、小さな階段やキッチン、食卓やベッド、壁の棚まで丁寧に作り込まれていて、ちょっと感動します。
カラーコピーを縮小して貼った、炎の見える黒い薪ストーブもついています。休日の夕方、目をしょぼつかせながらご主人が完成させたそれは、建物模型というよりもドールハウス?
昔の模型少年の成果品は、意外と役にたつらしく、インテリアを考えたり、低い位置から屋根の感じを見たりするのに、とてもわかりやすいそうです。
予想外に便利だったのは、陽当たりの確認だったそう。外壁を切り抜いて窓を作ってあるので、陽のあたる窓際で模型を見ると、窓から射し込む光がよくわかります。透けた階段や棚の影も、きれいです。
たまたま今は1年中で一番日が短い季節。その太陽でチェックしたので、無駄に窓をつけることもありません。
敷地の方位に合わせるには、グーグルで方位角を調べ、スマホで磁石を合わせたので、ほぼ正確と。遠い敷地に、出かけなくても大丈夫なのでした。毎日、晴れても曇っても、新しい家の中をのぞいてみるそう。模型の窓から、現実の空が見えるのも素敵です。
模型は、イメージだけで決めがちな部分の検討に、意外と有効な方法です。愛情を込めて作り込むと、さらに色々なことが分かるのだなと思いました。ドールハウス?は家づくりの決断と楽しみが、3割くらい増えるかもしれません。おすすめです。