カブトムシは北海道にいるか

掲載日:2016.07.25

知り合いの子供が、飼っているカブトムシを見せてくれました。立派な角、つやつやとしたボリューム感あふれるボディ、つくづく立派な虫です。

「これは買ってもらったんだけど、自分で捕まえた友達もいるよ」と聞いて、びっくり。北海道にはクワガタはいるけれど、カブトムシはいないのじゃないの?

いいえ。その子のおかあさんの説明によると、何と今やカブトムシは、北海道にかなり普通にいるのだとか。

調べてみると、それは昭和40年代に飼育ペットとして持ち込まれたものが、逃げたり棄てられたりして殖えていったようです。今ではクワガタを捕まえられる場所では、同じようにとる事ができるそうです。

子供時代が昭和40年代の前と後で、虫捕り体験は違っているのですね。羨ましいなあ、カブトムシ。

そういえば「ペットとして持ち込まれ、やがて野性化して定着した」生き物は他にもいます。アライグマやミドリガメが有名?です。

外来の生物は天敵がいないため、在来種を押しのけて繁殖してしまうことがあるのです。やがて環境や農業に被害がでて問題化することも。今では彼らはめっきり悪役になっていますが、もとは可愛いペット、私たち人間が連れてきた子たちなのですが。

カブトムシもその強さゆえクワガタのエサ場を奪ったり、農作物への被害が報告されたこともあるそうです。ちなみに寒さには意外と強く、堆肥や木屑の中でぬくぬくと越冬しているそう。

小さな昆虫でも本来そこの土地にいなかった生き物を飼う時は、逃がさない、死ぬまで面倒を見る、自然の中に放さない、飼育したマットや木は焼却する、などの注意が小さな命へのマナーになります。在来の生態系を保ち、今までなかった病気や菌を持ち込まないために、注意深く飼ってあげたいですね。

家で飼う時もつい、バルコニーなど外部に飼育箱を置いたりしてしまいますが、逃げた時に自然環境に入ってしまう可能性が高くなります。直射日光があたらない室内に置いてあげましょう。カブトムシも、きっと木の家が好き?