粗朶 そだ
掲載日:2019.04.25
流行語「そだね」の話題ではありません。「粗朶」。聞き慣れない言葉ですが、樹木の細い枝を束ねて長くしたものを言うそうです。
雪が消え、庭木の散らばった枝や剪定した小枝を積んでおいた小山をどう片付けようかと眺めていたのですが。10センチくらいの直径にまとめて、花壇の縁どりに使ったらどうかしらと思いつきました。
その花壇のまわりの地面は傾斜があって、土が流れやすいのが悩みなのです。がっちり縁石ブロックで囲うのではなく、ナチュラルに目立たない方法はないものか。
敷地内から出た石を並べてみましたが、私に持てる石の大きさではロックガーデンの風情はなく、石の間から土がこぼれるばかり。伐った木は、具合のいい長さや形をしておらず、やっぱり重くて扱いにくいのでした。
小枝を束ねながら、いい長さにすれば軽くてよいかも。少し埋め加減で地面に寝かせて、地面の傾斜によっては、木の枝を短い杭のように打ち込んで、2段重ねにすれば安定しそうです。
小枝の隙間から水や空気が通るし、細かい土は流れるかもしれないけれど、そのうち詰まっていくのでは。やがて小枝が朽ちて、土に戻る頃には、そこに小さな植物が根付いていて、花壇とまわりが一体の場所になっていたら素敵だなあ、と夢が生まれます。
それは、まさに昔から行われてきた粗朶の利用法なのだそうです。大規模には、川の護岸や山道作り、枝の隙間を排水に利用した暗渠、などの土木工事に。また川などに沈めて流れをコントロールしたり、エビなどの生物の棲家を作ったりもするそうです。
材料は里山管理の産物、現地調達材です。自然材料なので、景観的な問題はほぼおきませんし、緑化も容易です。利用した後は自然に朽ちて環境への負担が少なくてすみます。
ぜひガーデニングにも、そだね。