知らなかった危険なヤツ
掲載日:2019.05.27
春早く咲いたクリスマスローズを近所の人に自慢していた時のこと。隣人が側の地面を指差して「それ、だめ〜っ!」 。
私は野の花が好きなので、庭には笑われそうな雑草?や貧相な花も多いのですが、ダメはないでしょ、と気を悪くしかけました。
が、違いました。指差されたのは野バラではなく、近くの地面をはっていた小さな植物。
まだ短いツルから先が尖った小さな葉が3枚セットで、出ています。葉は少し赤みのある緑色で、葉脈がはっきりしていて、ぴかぴか光沢もあり、赤いツルも見栄えがします。置いておいても悪くないのではないかしら。
「それ、ウルシだよ」。え、ウルシは樹木で、地面ではなく頭の上の方にあるものじゃないの?
なんと、皮膚かぶれをおこすウルシには、樹木の「ヤマウルシ」(=キウルシ)とつる性の「ツタウルシ」があるのだそうです。
あらためて庭を眺めてみると、地面を這い、木にからみつき、あちらこちらにウルシが。「いつもいじる畑や、草むしりをする場所、子供が行きそうなところを、まず重点駆除かな」と隣人。
庭仕事の時によく、知らないうちに虫に刺されたなあ、と思っていましたが、ツタウルシかぶれだったこともあるのかも。
ちなみに、ゴム手袋をつけてツルを引っ張ってみると、ずるずるとつながって意外に簡単に取れました。問題は、取ったものに触らないように処分するところ。
樹木のもツタのもウルシは、秋には美しく紅葉します。秋の森の中で、木の幹を這い登るように紅葉しているツタウルシは風情があるものですが、わざわざ庭の木にウルシをつけることもないか。
隣人は笑いながら「ササの中にも、よく生えてるよ」。後日、ササダケ採りに行ってびっくり。明るいきれいなササやぶの中に身を低くしてみると、あるある。斜めに飛び出す緑色の尖ったササノコ・・・そして地を這うツタウルシたち。
タケノコしか目に入らなかった時は、地面に手をつき顔を近づけ這い回っていました。知らないとは怖ろしいことです。