知らなかった危険なヤツ 2
掲載日:2019.06.10
以前、自然豊かな土地に住む友人宅に遊びに行った時。夕方、畑を案内してもらっていると、顔のまわりに細かな虫のようなものがまとわりついてきました。
友人によると「ヌカガ」。「刺されると、ものすごく痒いから気をつけて」と。でも小さ過ぎてよく見えないし、どう気をつけてよいものか。とりあえず折りあげていた袖を下ろし、首元のボタンを留めましたが。
その後も、そこに行ってはたまに刺されるらしく、帰宅後に何日か過ぎてから痒みと腫れにびっくりしたことがありました。田舎の虫は強烈だな〜。
蒸し暑い日に、もっさもさになっていた自宅庭の雑草刈りをしました。手強く根を張った草の株を揺すっていると、細かい土が降りかかってきたような気が。いや、土ではなく飛びまわる小さな虫、あれだ!「ヌカガ」。うちの庭にもいるのでした。
振り払いましたが、手遅れだったらしく、日がたつにつれ両手はぼこぼこに腫れ上がり、痒いのなんのって。1日中、痒みどめを塗り続け、夜も眠れずぐったりです。
赤黒く熱をもち、小さな水疱が出来た両手はただならぬ状態のような気がしますが、スズメバチのように生命にかかわることでもなさそうだし。こんな虫刺されごときで病院に行っていいものか、と迷いつつも、いよいよ悪化するばかり。
あまりの痒さに、笑われてもいいと覚悟を決めて、皮膚科を受診しました。「何かにかぶれた記憶はありますか?」と聞かれたので「あそこにツタウルシがあるな、と思ったけれど触ってません」と言うと「見ただけでかぶれるかも!」と先生と看護師さんに大うけ。そこで笑うか、もう。ヌカガですってば。
痒みどめの軟膏2本とアレルギー症状を抑える飲み薬2週間分を処方されました。よく効きました。診療と薬で、市販の軟膏1本分くらいの金額、早く病院にいけばよかった。
「ヌカガ」は蛾ではなく「糠蚊(ヌカカ)」だそうです。初夏から夏に湿気のある場所に生息し、吸血するそう。
小さいので、網戸や衣服の隙間や繊維の隙間からも潜り込みます。
刺されてすぐ症状が出ることは少ないそう。忘れた頃、痒くなります。よくなったかと思うと再び繰り返し、かきむしられて悪化します。
刺された直後であれば、熱めのシャワーや蒸タオルをあてることで、毒素を分解できるそうです。たまに、ちくっと感じることがあるので、間に合えばラッキーですが、出先だと難しいことも。
炎症がおきて赤く腫れてしまってから温めてはかえって悪化させるのでご注意を。
炎症がおきてしまったら、そこを冷やして痒みや炎症止めの薬を塗るのがよいそうですが、皮膚科受診がおすすめだそうです。笑われません。
以来、庭仕事には長手袋と防虫スプレーを欠かさないようにしていますが、顔や首周りは弱点、夏の戸外でぼーっとしていてはいけません。ありふれた身の回りにも、未知の危険は潜んでいます。