断捨離ミッション
掲載日:2019.07.11
長年の断捨離課題のひとつを解決できました。使ってないけど捨てられないモノが溢れる我が家でも最大級、結婚した時に親が買ってくれた「和ダンス」です。
和服を収納するための浅い盆が、何段も引き出しのようについているタンスです。成人式に買い与えた振袖をしまうために必要、と親は考えたようですが。
昭和後期、結婚する娘にタンス3点セットを持たせるのが流行していました。洋服を吊下げてしまう洋ダンス、和服をしまえる和ダンス、たたんだ衣類をしまう整理ダンスです。
この3点が並ぶと、6畳間の長辺が埋まり、部屋はとても狭くなり、しかも豪華で重厚なデザインが多いので、その圧迫感は半端ではありません。住宅の設計やインテリアも、なかなか難しいことがありました。
私が新婚生活を始める小さなアパートに、そんな3点セットはどう考えても無理。親には物足りなかったようですが、シンプルな洋風のデザインの扉の中に、和服の盆がついたタンスひとつだけを買ってもらいました。それでも十分に偉大で、布団を敷くと端がいつも折れ曲がるのでした。大地震がなくてよかったです。
しかし、若気の至り、立派なタンスや美しい着物は嬉しいし、その後の自分の生活についてさしたるビジョンもなく、呑気に大きな重い家具と同居し続け、何度か引越しもしました。
和系のお稽古事をしていた最初の10年くらいが過ぎ、仕事や生活がどんどん忙しく、買ってもらった和服もなんだか派手になり始め。そのタンスを開くことが少なくなって、早数十年です。
ある日、もういいかも、と。タンスも着物も使われてなんぼ、着てもらってなんぼ、本望です。人類の至宝と呼ばれるようなモノには、時代を超えて次の人に渡すというミッションがついていることがありますが、さすがにそれではありません。
和ダンスいらない?和服いらない?と声をかけてみると、何と。
「倉庫で陶芸教室を始める知り合いが、そのタンス教室で使えるかな、って言ってるけど」
しっかりした造りなので大丈夫。倉庫みたいに天井が高くて、広い空間に、ぽんと置くと新鮮で見栄えもしそうです。シンプルなデザインなので、教室やアトリエにも似合いそうです。和服の浅い盆は、大きな紙や布など平たいものの収納にも便利なのです。
「娘が6人いる従姉妹が、振袖欲しいそうです」
と、中身も運命のように旅立って行きました。
どうぞ、私がとめていた時間の分も活用してもらってね!