柚香 ゆこう

掲載日:2021.01.11

お正月の贅沢に、一個だけ買った柚(ゆず)。鮮やかな黄色い皮と、いい香りがご馳走です。

でも外側の皮を少しずつ剥いて使ってきたので、いまや哀れな姿。
なので、残っていた皮と実を砂糖で煮て、マーマレードのようなものを作りました(夫が!^^)。

種を取って、実も袋も一緒に大きめに切ります。水で煮てから砂糖を入れ、しばらく煮詰めます。少量なので焦がさないように。
コーヒーカップにひとつできました。

毎朝食べているヨーグルトにのせます。意外にいけるのは、お肉や焼き魚の付け合わせ。きれいな色と酸味のきいた味が、脂のあるものによく合うのです。

初冬に、島根県の松江に行ったことがありました。駅近のホテルに泊まり、近くでささっと夕食にしようと入った和食のお店。焼き魚に添えてあった未知の付け合わせを、カウンターの中のおかあさんは「砂糖で煮たユズ」と、あっさり。わざわざ言うほどでもない食べもの、という風でした。

和食ブームのおかげで、手に入れやすくはなりましたが、北海道では柚は高級食材です。でも生産地では、柚湯などはお風呂一面に入れるくらいですから、やたらとなるものなのかもね、と思ったことでした。せっかく出来たのだから、とりあえず砂糖で煮ておくかね、と。

次の日、松江城の近くの物産館で、いくつか置かれていた地味なパッケージのお菓子を、安いので何となく買いました。帰って食べてみると、あの味でした。懐かしく頂きました。

お菓子かと思った包みには「柚香」とありました。松江に行く人に、おみやげに頼んでも、なかったと言われました。

ネットで調べると柑橘類の一種に「柚香 ゆこう(ユズとダイダイの交配種)」という果物があるようですが、その実のことではない気がしていました。

最近「昔から作られてきた、柚を砂糖で煮た料理である」と読者参加型レシピサイトで見つけて、謎がとけました。おばあちゃんの味、みたいな料理だったのですね。

砂糖の味に加えて、酢とか醤油とかそれぞれ秘伝の隠し味があるようです。肉や魚など意外なものとも相性がいいのは、こんなワザもきいているのかも。

皮だけ使って残っている柚があったら捨てずに、ぜひ「柚香」を作ってみて下さい。ブリの焼いたのとか、ポークチョップとか、チキンソテーとか、合いますよ〜