刈った草は役に立つ
掲載日:2021.08.25
どうやら猛暑の夏は去ったらしく、爽やかな風が草の間を吹き抜けていきます。再び生き返ったように伸び始める植物を眺めながら、庭仕事がいい気持ちです。ちょこちょこと玄関前の草を抜いたり、通路にかぶさった草を刈ったり。
今年の我が家の家庭菜園の事件は、カボチャでした。昨年晩秋、片付けが終わった畑の隅に、家の中でしているダンボールコンポストをぶちまけておいたのです。春先、カボチャらしき元気な芽がでているのを見つけました。捨てたカボチャの種から芽がでることはよくあるのです。
コンポストの肥料効果かよく育ち、あまりに葉が茂るので近づけないまま、黄色い花が咲き、ある日立派な実が出来ているのを遠目に発見しました。
あわてて「野菜の作り方」の本を見ると、カボチャはツルを整え、勝手に伸び放題にならないように配置するらしい。すでに手遅れなので、せめて実の下に「敷きワラ」のかわりに刈った草を敷いてあげました。時々、新しいきれいな刈草を上に敷き足し、いい形できれいに育ちました。もうじき収穫のタイミングです。
刈った草は意外と便利です。畑の周辺や通路に敷くと、手軽にこぎれいに、わかりやすくなります。刈ったばかりの草だと緑色で、芝生の小道のように見えます。次第にワラのような枯葉のような土のような色に変わっていきますが、それも悪くない畑の風情です。靴も泥だらけになりませんし。
草取りのたびに上に重ねていきます。地面に接した下の方から、雨を受けたり乾燥したり、私に踏まれたり、だんだん細かくなっていきます。ミミズもよく見ます。雨上がりなどミミズをあさって、野鳥がよく歩いています。
葉や茎の間には、小さな虫や見えない分解菌もいるのではないかしら。やがて冬が来て氷温熟成され、凍結融解を繰り返し、次の春には私に起こされて、少しずつ土になるのでしょう。敷いた草は取り除いたり、始末しなくていいのが好ましい。
通路以外にも野菜の根元に敷いておくと、他の草が生えづらく、泥はねなども防げます。素人なので妙に低いところに出来てしまったナスの実の下や、イチゴのまわりにも重宝しています。
主旨はビニールマルチと同じですが、自前の材料であること、廃プラスチックを出さないところがいいな、と思っています。使い道があって困らないので、草をゴミの日には出しません。
堆肥というほどのものではありません。でも自家製の草は、無農薬だし、土地の土の菌に働いてもらうので、きっと馴染みがよくて作物の成長にいいかも、と思っています。
座り込んで地面の自然を観察しながら、ぽちぽちと小さめの草を抜くのも好きですが、鎌で丈高く伸びた草を刈るのも楽しいです。
抜いたり刈ったりした草の量を見ると、びっくりします。太陽のエネルギーってすごい。