そばがきの香り

掲載日:2011.11.25

「新そば」の季節です。

我が北海道は、全国の4割近くを生産するそばの産地。地産地消ブームのおかげか、最近お店で少量パックのそば粉をよく見かけます。ちょっと気をひかれますが、家庭で手打ちそばはちょっと面倒、という方。手軽にそばの香りを満喫できる「そばがき」を試してみて下さい。

そば粉と水を1カップずつ、鍋に入れます。泡立て器でよく混ぜ、とろとろになったら火にかけます。こがさないようにヘラで混ぜていくと、そばのいい香りが立ってきます。

固まってきたら、力を入れて大きく混ぜます。もっちりとまとまったら出来上がり。

フッ素加工の鍋やフライパンだと焦げにくく楽。火にかけてからは、泡立て器は練った粉がこびりつくので、ヘラの方が安全です。

おそば屋さんでは、ヘラで木の葉の形に作って出したりします。
トラッドに薬味とつゆで、そばがきを肴に日本酒を飲むのも粋ですね。

甘味で黒蜜やゆで小豆を添えて食べたり、生クリームやアイスクリームをのせて混ぜながらドルチェでいただくのも、意外な美味です。

残って冷えたそばがきは、すいとんのように汁の具にしてしまう手も。野菜のたくさん入ったみそ汁にもよいし、小さく切ってポタージュスープの浮実にすると何やらおしゃれ。

少しひりりとした青くささ、かすかに甘く、ナッツのような芳ばしさ、しっとりした粉の香り。ふんわりとしたものに集中するのは、快楽のひとときです。

空気のきれいなおうちで、静かに香りを吸い込んでみてください。