回りこんでタッチして
掲載日:2012.11.11
先日、親戚の法事がありました。久しぶりに会ったおじ、おばは髪が白くなったり腰が曲がったりでしたが、昔可愛がってもらった時のままの明るさでした。
もそもそと主催者長男が挨拶を始めると、おば達がいっせいに振り向き、耳の後ろに手のひらを広げたので、一同爆笑。
「こうすると、よく聞こえるのよ」と、耳が遠くなる話題が盛り上がります。今後の参考のために拝聴しました。
それによると、一緒にいる時間が増える老夫婦にとって、一番怖いのは、互いの「無視され妄想」だとか。
共に、ちょっと耳が遠くなっているのは承知していても、長年の習慣で、唐突なタイミングで顔も向けないで、話しかけたりしてしまいます。言われた方はそれを認識していないので当然、応答しません。わかっていても、度重なるとよろしくない。イライラしたり、爆発したり、億劫になって話しかけなくなったり。
でも、さすが我がおば達。「おとうさんが NHKのアナウンサーならよく聞こえるって言うから、真似してしゃべるようにしてるの」「後ろから言うとダメよ。前に行くの」「新聞読んでる時とかは肩をとんとんしてから言うようにしてたわ」
回りこんで、タッチして、NHKアナウンサーですか。「大変よ~面倒よ~」とおば達は笑いころげます。(それでも、いてくれた方がずっとマシ)と未亡人のおばも、未亡人になっていないおばも思っているようでした。
以前、取材でお邪魔した中年のお客様のお宅でのこと。ガレージにぴかぴかに整備されて並んだ車のナンバーが2台とも 「1122 いい夫婦」だったのを思い出しました。
11月22日は「いい夫婦の日」だそうです。人生のしあわせは、いい家に住み、良き伴侶に恵まれることに尽きるかも?