よあけ
掲載日:2013.01.10
大掃除らしきこともしないまま迎えてしまった我が家の新年。朝食後、少し後ろめたい気分で家の中を眺め、手近の棚のほこりなど拭いていたら、本棚に懐かしい絵本を見つけました。
「よあけ」という本です。作者は、1935年ポーランド生まれのユリー・シュルヴィッツという作家。早速、雑巾を投げ出して本を開きます。
表紙を開くと深いブルーから透明なエメラルドグリーンに変化していく6本の横縞が現れました。ああ、なんてきれいな色。
特にストーリーらしきものはなく、おじいさんと孫の少年が夜明けに舟で湖に漕ぎ出す、というだけの内容ですが、夜が明けて光が溢れてくる瞬間が、最高に美しく描かれています。見開きの6つのブルーは、夜が明けていくところなのでしょうか。
棚の本の前に空いたスペースに、その本を立ててみました。最近の我が家は、ブルーがアクセントカラーなのです。絵本のブルーが他のブルーとよく馴染みます。不揃いで雑然と見えがちな本の背表紙もそこだけは隠れるので、少しすっきりします。
きれいな絵本を、立てて飾ってみませんか?時々、替えてみるのも楽しみなものです。色や大きさを考えて、インテリアとして扱うのがコツです。
今回は、後ろの本に持たせかけて、L型のスチール製のブックエンドと棒状のマグネットを利用して固定しました。場所や本の大きさによって色々と工夫できそうです。
ところで、おじいさんと少年ですが。二人は漁に出たのでしょうか?それとも、どこかに行く途中なのかもしれません。あるいは、さらに深いことが象徴されているのかもしれません。東洋文化に関心の深い作者は、中国の古い詩にこの本の題材をとっているそうです。
この本の商品説明には「読んであげるなら: 4才から 自分で読むなら:小学低学年から」とありましたが、大人の方にこそ、ぜひお薦めです。
☆ユリー・シュルヴィッツ 『よあけ』
福音館書店 1977年