オケラだって〜♪

掲載日:2012.05.10

連休に友人宅を訪ね、やっと雪が消えた家庭菜園を眺めながら、おしゃべりしていた時のこと。

「オケラって知ってる?」と聞かれました。オーケストラの略語のそれではなく、久しく忘れていた懐かしい生き物です。友人はその家で畑を作って、初めて出会ったのだそう。(さほどの都会育ちではないはずだが)

子供の頃、土を掘ったり石をひっくり返すと、よく見つけたものです。3㎝くらいで灰褐色。捕まえると、パワーショベルのような太短い前足をうごうごするのが面白くて、よく両手で包んでくすぐったく遊んだものでした。

土の温度なのか子供の手より少し冷たく、お腹が柔らかくて、全身がビロードのような手触り。トンボや蝶は繊細過ぎて触りにくいのですが、こいつは全身丈夫で力強いところが好きでした。

虫でありますが、何だかエビっぽい感じもするし、短い毛や大きな手はモグラっぽいし。つまんで顔を見ると、黒い目と短い手はハムスターっぽい?謎の生物ですが、コオロギの仲間だそうです。

「可愛いよね」と言ってみましたが「野菜の根を切ったりするんじゃないの?」と友人の反応は今ひとつ。「ミミズが土を耕し、その糞が肥料になるというのなら、オケラも同じじゃない?」とちょっと弁護してみましたが、あくまでも私見。

そこから話題は「堆肥を入れた効果が出て来たのか、昨年あたりからミミズが多いような気がする」ということに移り、やがて「自分が見た一番大きいミミズ」で盛り上がったところで、お茶の時間になりました。

オケラの畑に対する功罪を正しく評価することは、出来ませんでしたが、ミミズやオケラがいる畑は、ミミズもオケラもいない畑よりずっといい、と思ったことでした。