真夏のすし飯

掲載日:2013.07.25

誰でも、と言われそうですが、私はおすしが大好きです。握りもちらしものり巻きも、お稲荷さんも。ついでに、ほのかな甘味と酢の香りが漂うすし飯そのものが好きです。

すし飯だけ食べても、結構しあわせになりますが、ささやかな具を混ぜ込んだりのせたりすると、さらに満足。

固めに炊いたごはんで作ったばかりのすし飯は、もちろん美味しいですが、我が家の冷凍庫には冷凍すし飯のストックも。

暑さで、食欲と料理をする気力が弱った私を励ましてくれます。レンジで温め、具を混ぜるだけのちらし。火をあまり使わず、「おすし」というご馳走を食卓に載せられる有り難い味方です。

具は、切った青シソ、生姜、ミョウガなどの薬味類、刻んだ浅漬け、古漬け、胡麻、焼き鮭の残りをほぐした身やツナなどなど。パックのお刺身をのせると生ちらしです。冷蔵庫にあったたいていのものが、酢の味で品よくまとまります。

錦糸卵やアナゴやていねいに煮た人参や干椎茸や、あこがれの伝統具材は涼しくなってからでもよいか、とか言ってみます。

そんなわけで、私の「時々ネットで眺める欲しいもの」のひとつが木の飯台(すし桶)です。

濡らしておいた桶に、ふんわりとごはんを入れて、すし酢をかけてさっさっと混ぜたら、いい香りがするだろうな。ふわあっと酢の甘い香りに、木の香りが混じって。きれいな具をどっさり混ぜて、そのまま食卓に出したら豪華だろうなあ。

具は何がいいか、いい匂いがして、扱いが簡単で、買いやすいもの?生の薬味があると味がさっぱりするね、レモンやすだちもいいかも。きれいな色も少し欲しいね、など妄想の酢の香りに包まれながら、ご馳走を考える悦楽。

ネットを見ながら、ちょっと驚いたことがありました。木のすし桶を買った人の感想の中にいくつか「木の香りがごはんに移らずよかった」というものが。「木の香りが食べ物につくのはイヤ」というニュアンス。この商品、使って木の香りがしないわけはないし、香りが値打ちと思うのですが。

杉の箸や、木の香と一体になった折り詰めの味や、升酒や。木の香りのご馳走の伝統は、消えつつあるのでしょうか。