ユニバーサルデザイン
掲載日:2015.09.10
愛用のリュックのファスナーが壊れてきました。
仕事もお出かけも小旅行も、街中もアウトドアも。いつでも持って歩いていたお気に入りです。長いこと愛用しましたが、事故が起きる前に、次のリュックを探さなくては。
ふとのぞいた通りがかりのお店。バッグ店ではなく、アウトドア専門店です。リュックが欲しいと思っているのですが、本格山登り用はちょっと無骨過ぎ、と入ってみたことはありませんでした。
しかし、山ガールたちのおかげでしょうか。昔に比べて、店内の商品がカラフルでデザインが洗練されているので、驚きました。
そもそも登山用品のコンパクトで機能的なところは、デザイン心をくすぐるものです。その上キュートになっているのですから。見て歩くだけで、かなり楽しめました。
でも仕事も普段使いもというのは、やはり無理かな、と思い始めた時でした。隅の棚の下の方に、見つけたのです。ほどよい大きさで、街中で目立ち過ぎないけれどもきれいな色のリュックを。
わくわくしながら開けてみました。全体は薄いスリムな形なのですが、適度な固さがあるので、持ちながらファスナーを開閉しやく、快適です。
大きく開くのですが横にマチがついているので、中身がこぼれだしにくい。内部は意外と広く、A4ファイルもパソコンも無理なくいけそう。
他の登山用リュックと違って、ポケットも多過ぎず、固定用のベルトもありません。オフィスも街中も問題無し、スマートな外観です。
改めて眺めてみると、売り場の中でこれは異色な商品です。説明書を読んで、これは車イス用に開発されたリュックであることがわかりました。
車イスの背に掛けて、片手で膝の上に移動出来て、中身を出し入れしやすく。これひとつ持って、どこにでも行けるようにデザインされたモノだったのです。そうやって、仕事や友達に会いに出かけていく人の姿を想像して、嬉しくなりました。
オレンジ色がかった赤、とグリーンの入ったグレーの2色を鏡の前で試して、グレーのを買いました。
その晩、カバン好きの夫に自慢してほめられたので、貸してあげました。外側のメッシュのポケットに水色の折りたたみ傘を入れて出かけていきます。よく似合ってます。返してくれないかも。
ユニバーサルデザインは誰でもしあわせにするのだな、とあらためて思ったことです。