発酵食品の場所
掲載日:2015.09.26
韓国のトウガラシ味噌「コチュジャン」作りを習ってきました。韓国領事館主催の本格派です。
赤くて辛い調味料と思っていたのですが、美しい伝統衣装を着た先生のお話を聞くうちに、どうやら「本格」の資格は発酵の奥深い味にあるらしい、とわかってきました。
グループに分かれて、大きなボールに大量の粉を混ぜていきます。どっさり赤い粉はもちろんトウガラシ。そこに未知の粉と液体を加えていきます。モチ麦の粉、ミソの粉(豆麹)、韓国の水あめと焼酎をとかした液、そして最後に塩。
交替で混ぜながら手のあいた時に、知らない材料を味見します。「豆麹って自家製ミソの途中の味ね」「水あめはあまり甘くないわ」「きな粉みたいな味ね」とそれぞれの味覚で確かめます。
混ぜ終わったものは密閉容器に分けられ、お持ち帰りできるのでした。まあ、嬉しい。このまま室温に置き、明日味を見て塩を足し、3日後にもう一度全体を混ぜ、冷蔵庫で1ヶ月発酵させると食べられます。
早速今晩、食べよう、と思っていた私。ちょっと予定が狂いましたが、先の大きな楽しみができました。
ところでコチュジャンにかぎらず、漬物やパン種などの発酵モノ。発酵させる場所が、なかなか悩ましいものです。結局、冷蔵庫やホームベーカリーに頼るのが安全だったりします。
北海道の家は冬でも温度の低い場所のないのがウリ。しかし、漬物を置く場所がないのは不便、と言われて始めて久しく。
キッチンやパントリーに暖房空間と区画した食品庫(暖中冷)を設けたり、ガレージの中に断熱したスペースを作ったり(寒中不凍)、工夫はされているのですが。発酵食品の豊かさに追いつくには、まだまだかも。
本場韓国では、伝統的な家屋では「甕(かめ)置き台」と呼ばれる、発酵調味料のカメを並べておくテラスが設けられてきたそ冬は凍らないように土に埋め、ワラをかけたらしいです。
石積みや瓦葺きの低い塀に囲まれて、大きなカメが並ぶ風景の写真は美しいけれど、世話をするのはたいへんそう。現代のマンションに住まいの韓国の人は、やはり、キムチもコチュジャンもスーパーで買って、冷蔵庫で保存しているそうです。
私のコチュジャンは、キッチンの木の棚の自家製ヨーグルトの隣に置いてみました。ヨーグルト菌とコチュジャン菌?の好適環境が同じとは限らないですが、他に空いてる場所がなかったもので。(!^^)