バードストライク

掲載日:2016.03.25

「鳥が窓ガラスにぶつかる」という事件がおきることがあります。

家にいる時、大きな衝撃音がしたので見にいくと、外に鳥が落ちている。気絶しただけで、やがて気がついて去ればほっとしますが、死んでしまうことも。ごめんね、かわいそうに、心が傷みます。

知人の家では、何とガラスにひびが入って交換したとか。鳥も災難ですが、人間もショックです。航空機や発電用の風車に衝突する鳥たちは大きな問題になっていますが、じつは住宅の窓にぶつかって死んでしまう鳥も少なくはないのです。

「どうして?どうすればいいの?」と聞かれましたが、決定的な方法はないようです。窓ガラスに空や風景が映り込んだところに、飛んで来た鳥が迷わず、一時停止も減速もせず突っ込んでくる、ということらしいのですが。

大きなガラス面が増えたことは関係がありそうです。また二階の窓などで、近接する窓から向こう側の空や樹木が透けて見えるような箇所も危ないかもしれません。すうっと、通り抜けたくなる気持ちもわかります。

グリーンやブルーがかった色がついて、映り込みが鮮明な反射性の膜入りの断熱ガラスは、どうなのでしょう。危険なように見えますが、透明より危険という確定した見解はないようです。個人的には面的に色がつくので必ずしも鳥の目には分かりづらくはないかも、と思ったりもします。私見ですが。

飛んでいる鳥の視点になって、窓ガラスを観察するのは、よいかもしれません。地上から見上げる人間には、空中から見て何がガラスに映っているのかは意外とわからないものです。窓に方位を合わせた鏡などで、横や上から覗いてみる方法はどうでしょう。

ガラスに風景が写り込む角度は、季節や時間によっても変わります。その角度と、その種類の鳥が活動する時間や行動範囲で、魔の季節や時間が生まれているかもです。

同じ場所や季節、鳥の種類で事故が起きているのなら、この可能性あり。「いつも秋口、普段はあまり見かけない鳥が、朝この辺に落ちているの」というようなケースです。機会が限定されたら、対処は少し楽になるではないですか。

映り込みを軽減するために、カーテンやブラインドを閉めたり、外にスダレを下げたり。高速飛行中の鳥の注意を喚起するためにガラスに貼るタカのシールもあるようです。内側にモノを置くのも効果があるかもしれません。怖いフクロウや猫のぬいぐるみがよいとかも何かで読みましたが、どうでしょうか。

これから建てる家ならば、窓の上の軒先や庇で工夫することも出来るかもしれません。でも、鳥の気持ち、なかなかわからないのです。