へへへの白樺

掲載日:2017.04.10

木々の枝先が、ふわっと色づいてきました。近所の白樺たちを近くで観察してみると、赤い芽がふくらんできています。

雪で折れたのでしょうか。幹から枝が分かれるところが、裂けたように割れている木がありました。おお、これは。ちょっと迷いましたが、あたりに人気がないことを確認して、そこを指で触ってみます。わずかな水気をなめると、かすかで爽やかな甘味。春の白樺の樹液です。

幼い頃、木にも種類があることを教えてもらって、最初に覚えたのが白樺です。幹が白くて、とてもわかりやすいので。

小学生になって家族で行った山のハイキング。そこに、白樺に似た木がたくさんありました。でも幹や枝はごつごつもしゃもしゃで、色は何だかくすんでいます。山の白樺は汚れているの?

それは「ダケカンバ」という別の種類の木だと、父が教えてくれました。標高の高い寒いところに生えるので、厳しい表情になるのだな、と理解しました。

大人になってから、山歩きが好きな友人が、白樺とダケカンバの見分け方を教えてくれました。厳しくないのが白樺?

幹から枝が出る部分に注目です。枝を下から支えるように、幹に「ハ」の字型のつっぱりがあるのが、白樺。少し大きな木で、下の方の枝が落ちた木を見るとわかりやすいです。白い幹に、黒く「へ」の字が浮かんでいます。

一度見えてしまうと「へ」だらけです。白樺というと、清楚で上品なイメージですが、意外とお茶目でお気楽なヤツかも、と思えてきます。やっぱり街中の白樺に、厳しさはないね~へへへ

もう少しすると、芽がはじけて小さな薄緑色の葉が飛び出して来るでしょう。青空に白樺がふんわり緑色の春まで、もう少し。