春の薪ストーブ
掲載日:2018.05.27
ファンにはいまさらですが、薪ストーブの魅力は、冬の暖房器具というだけでは語れないところにあります。
初夏も近いというのに肌寒いような朝や夜、薪ストーブに細い薪を何本かくべてみるのはよいものです。ぱちぱちいう音と炎。北国の春の嬉しさがこみあげてきます。
薪を燃やした後に残る木灰は、資源です。冬の間、我が家では灰がたまると、家庭菜園のあたりの雪の上に適当にまいていました。陽射しが強くなってくると、順番に現れて雪融けを促進してくれて、最後にはカリたっぷりの肥料になってくれるだろう、という魂胆です。
春の楽しみのひとつは山菜採りです。中でも、ワラビのあく抜きといえば、我が家では薪ストーブの木灰です。
採ってきたワラビを洗い、バットに平たく並べます。濡れたままで大丈夫。まぶしつけるように、木灰をかけます。全体が覆われるくらいの量です。そこに熱湯をかけます。平皿や落しラップをかけて、全体が浸るようにします。
(熱湯を入れたバットを移動するのは危険です。お湯は置いておく場所で注いで下さいね。また、アルミのバットだと変色することがあるそう。私はホーロー製でしています)
半日ほど放置すると、青黒いような凄い色に。よほど悪いものが抜けたような達成感です。何度か水を替えて、さらに数時間。水が澄んだら完成、市販されている状態です。煮るなり、炒めるなりお好きに。でも、このしゃきしゃき、ほのかにぬめりの残る食感は、初めての美味しさなはず。薪ストーブ、ありがとう!
現代では木灰が手に入りにくいので、あく抜きには重曹を使うことも多いようです。でも木灰はアバウトにやっても、しゃっきりと程よく、失敗がないようで気に入っています。