攻撃しない理由

掲載日:2018.06.11

先日、家のまわりをパトロールしていた夫が「軒裏に何かついている!大きいハチが飛んでいる!」のを発見しました。

見に行くと、軒裏と外壁の角に、ゴルフボール大の枯葉色のものがぶら下がり、大型のハチが1匹取り付いています。3㎝はありそうで、遠目にも濃い黄色の縞が見えます。やや、これはスズメバチ。

スズメバチは、女王バチが1匹だけで越冬し、春にひとりで小さな巣を作り、そこに卵を産みます。やがて生まれた働きバチが巣を大きく広げ、エサを集め、一族が繁栄するのです。

でも、時々人間の家のまわりに巣を作ってしまうのが、困ったところ。スズメバチは攻撃的な性格で、王国を侵すらしき者は容赦なく刺すのだそう。同じ場所で共存は難しいのです。

春先から町内会では、スズメバチのトラップを設置するよう、再三のお知らせが。これは、ペットボトルに穴をあけて、ハチを誘う甘い液体を入れたもの。入口穴の大きさや中に入れる甘い液体には、各家のこだわりがあって、トラップ談義で春は楽しく過ぎたのでした。

我が家では3カ所もかけたのですが。(ちなみに入口は3.5㎝角。H型にカッターで切り目を入れ、上は玄関庇のように外側に、下は玄関の床のように内側に折り曲げました。誘惑の美酒は、ベタ甘日本酒+酢+砂糖)

4月下旬から下げているのに、一向にハチは入らず、今年はスズメバチは出ないのかな?と隣人と話したばかりでしたが。怪しいトラップに騙されることなく、陽当りの良い快適な軒下を見つけた女王バチがいたのでした。

自治体のHPを調べると、指定業者に駆除を依頼すると助成があるようです。早速電話で状況を伝えると、ワゴン車に乗ったおじさんが1人で現れました。ハチ除けの網もかぶっていない普通の作業服姿です。 

「あ〜、作り始めたところですね」と。脚立を昇り、殺虫剤らしきスプレーを一吹き、ぼたっと落ちたものを素早く踏みつぶし。車から先がL型になった長い棒を持って来て、小さな巣を掻き落とし、ハチの死骸とともにレジ袋に入れて、終了。2分でした。

「女王バチ1匹で巣が小さい時は、一般の人(私)でも駆除出来ないことはないよ。100%ではないけれど、女王バチが刺すことはめったにないよ」とのこと。ちなみにハチ用殺虫スプレーはホームセンターで購入可です。

「なんで女王バチは攻撃してこないかというと、1匹で戦って、自分が死んだら、卵を産めないからだよ」と、おじさん。女王は王国が生き残る確率が少しでも高いほうを選ぶのか。

巣が大きくなったり、何匹も飛び回っているようでしたら、一般民には駆除は無理です。近寄らないようにして、駆除業者に依頼しましょう。