ナツツバキ
掲載日:2018.07.10
続いた雨が少し上がった朝、ゴミ出しに出ました。道は濡れ、小枝が散らばっていたり、草が歩道に倒れています。近所の家の見事だったシャクヤクの花も散ってしまいました。
行く手の路上に白いものがてんてんと貼りついています。濡れたテイッシュ?またカラスがいたずらしたか。もう!
違いました。手のひらくらいの白い花が散らばっていました。ほんのり黄色い花芯があります。おや、と見上げると歩道に枝が張り出して、茂った葉の中に白い花が見えました。お庭の中の幹には、特徴のある明るい迷彩模様が見えます。大好きなナツツバキではありませんか。
いつもそこを通っていたけれど、気がついていない。目の前しか見えていない私、もったいない。
ナツツバキは、椿によく似た花を初夏の頃につけます。散る時は椿のように、花が丸ごと落ちるのです。本家椿は冬から春に咲くので北海道では難しいですが、ナツツバキなら今頃咲いているところに出会えます。
ナツツバキは、お釈迦様が亡くなった時、側にあった樹木の「シャラノキ(沙羅双樹)」と言われることがありますが、シャラノキとは違う木です。シャラノキは寒さに弱く日本では育たないため、お寺では代わりにナツツバキを植えていたことから、そう言われるそうです。
お庭には、春に花が咲く木は嬉しいものですが、緑濃くなる季節にくっきり白く咲く花もよいものです。木の形もきれいで、手間もかかりません。夏のガーデニング、草花に加えて涼しげな木陰も欲しいな、という時におすすめの木です。