ポーチャイファン

掲載日:2021.09.24

秋風が吹き、ふと、今夜はお肉を食べたいぞ、と思いました。お肉のふんわりした味わいがご飯にまといつく、あれにしましょう。簡単だし♪今回は我が家で「肉ご飯」と呼ばれている人気料理をご紹介します。
昔、香港に行った時、原地に住む人が連れていってくれた店。
屋台寸前の質素で庶民的な店で出してくれたのは、小さな土鍋で炊いた釜飯でした。好みの食材をのせて炊き上がったご飯を、簡単な野菜料理と食べたのは、未知の中華料理の世界でした。なぜその店に行ったのか、その家庭的な料理は何というものなのか、
わからぬまま帰国しましたが、忘れられませんでした。
ある時、中華料理の本でそれらしき料理を見つけました。分厚いその本の他の本格高級中華料理は、私には敷居が高過ぎでしたが、その料理だけ妙にシンプルに思え、早速作ってみたのでした。
本にあったのは中華のソーセージや干肉などの肉加工品をのせて土鍋で炊いたご飯でした。
我が家の簡単バージョンでは、鶏モモ肉1枚、ブロックのベーコン5〜6センチ(ブロックの半分くらい)、ウィンナーソーセージを使います。肉3種は豪華です。我が家は、IHヒーターなので炊飯器で炊いています。
1. 鶏モモ肉は洗ってふき、多めに塩をふってラップに包み、半日くらい冷蔵庫に入れて置きます。
2. 米は洗って水を切っておきます。
3. 鶏モモ肉とベーコンを熱湯で、さっとゆがきます。
4. 炊飯器に米を入れ、上にウィンナーソーセージと3.の鶏モモ肉とベーコンをのせます。水加減は通常の白米と同じ。(もちろん、土鍋でも可)
5. 炊き上がったら、肉とベーコンを取り出し、食べやすい大きさに切ります。お肉感を強調するには、少し大き目がよいかも。意外とふっくら柔らかくなっています。ご飯と一緒に盛り付けて、召し上がれ。
現地では青菜の炒め物と一緒に食べましたが、それが定番の組合わせらしいです。色合いもよいし、栄養的にもよいし。我が家でも茹で野菜や、おひたしを一緒に。
肉類から出る旨味と塩気で味はほぼ十分ですが、ちょっと足りないかな、と思ったら「オイスターソース+醤油」のソースをつけてみて下さい。ゆで野菜にも合いますよ。
お米とお肉という強力な組み合わせなので、若いお客様にも好評です。肉の間にびっちりウィンナーを並べると、とても喜ばれます。
ネットで調べると、香港の土鍋釜飯は「ポーチャイファン(小さな土鍋ご飯)」と呼ばれる広東地方の庶民料理だそうです。秋になると、香港のその店に連れていってくれた人や親切にしてくれた人たちのことを思い出します。